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  • 執筆者の写真ハナ

明治大学レインボーサポートセンターって、どんな場所?【特集インタビュー】




2021年11月29日、レインボーサポートセンターのラウンジオープン日に、コーディネーターである松永美佐寿さんにお話を伺いました。キャリアカウンセラーでもある松永さんにジェンダー・セクシュアリティとキャリアの関係、レインボーサポートセンターをどんな場所にしたいか、明治大学にはどんな取り組みがあるのかなどをお聞きしました。



聞き手・編集:ハナ



◎ジェンダー・セクシュアリティとキャリアの関係


・まず、ここを作った目的や経緯を教えてほしいです。


「ダイバーシティ・インクルージョンを推進していきましょう」という、大学としての方針(ダイバーシティ&インクルージョン宣言)が2018年に出され、2019年に「多様な性に配慮した教育研究のあり方に係る基本方針」が発表されました。この方針の実現方策として、レインボーサポートセンターが設置されました。



・レインボーサポートセンターに相談を申し込んだとき、私たちが相談することになるのは松永さんだとお伺いしました。松永さんはカウンセラーさんなのですか?


実は専門はキャリアカウンセラーなのですが、それと同時に十数年前からこのテーマ(性的指向、性自認などジェンダー・セクシュアリティ)に取り組んできました。当事者団体のNPOに、まずは自分が学びたいという思いから参加し、医療や福祉、法律の専門家などとも交流しながら活動してきました。次第にキャリアの相談と同時に、LGBTQ+当事者の学生やそのご家族の相談をお受けするようになりました。



・どうして当事者の方たちの相談をお受けするようになったのか、もう少し詳しくお聞きしてもいいですか?


私は「キャリア=生き方」だと思っているんですね。社会や他者とのつながりの中で自分らしさをどう活かしていくのか、生き方の先に働き方がある。

そう考えると、ジェンダーとかセクシュアリティって生き方にすごく関係していますよね。だから私の専門のキャリアカウンセリングとジェンダー・セクシュアリティの問題っていうのはすごく繋がってくるなあと思ったんです。「自分はどうありたいのか、どう生きていきたいのか」っていうことにフォーカスしたカウンセリングを実践していくうちに、ジェンダー・セクシュアリティに関する相談が増えてきました。私にとっては車の両輪のような感じです。



◎「みんなが多様な性の一人なんだよ」と思える場に


・レインボーサポートセンターにどんな人に来てほしいですか?また、どういう場にしていきたいですか?


簡単に言うと、インクルージョンっていう考え方ですかね。あっちの人、こっちの人っていう区別ではなくって、性は多様であるっていうのは自明の理になってますよね。知らないとか関心がない人、否定する人はまだまだいらっしゃるけど否定されるものではなく、どんなジェンダー・セクシュアリティでも尊重されるべきです。だから私は「分ける」ではなく、「みんなが多様な性の一人なんだよ」っていう考え方を持っています。そして、皆さんひとりひとりがそんな考え方を持っていただけるような場になったらいいなと思っています。だから、色々な人に来ていただきたいです。


もちろん当事者の方にはぜひ来て欲しいです。ここを居場所にしていただけたら嬉しいですね。個別相談で、大学生活を安心して楽しく送れるような心理的なサポートもしつつ、環境を変えていくことに、共に取り組んでいきたいと思います。

当事者かどうかは関係なく皆さんに来ていただいて、いろんなことをここで話し、考えを深め、ひとりひとりの豊かな人生に繋がっていったらいいかなって、そんな思いでおります。


・個別相談は、こういうソファのちょっと奥まったところで、レインボーサポートセンターの開室日に行うんですか?


個別相談は、守秘義務もありますし、安全を守らなくてはいけないので、ラウンジ開設とは別の日を設けています。この部屋に私一人がいるので、来ていただいて相談を受ける。もしくはオンラインで相談を受ける。対面での場合は、鍵を閉めて誰も入ってこれないようにして、私一人が対応します。なので秘密は絶対守られます。


・明治大学の支援はどういうものがありますか?


通称名の使用、履修者名簿の性別欄廃止、定期健康診断の配慮、その他性別欄を極力無くすこと、性別情報を扱うときには丁寧に扱うこと、そして情報の一元化などがあります。


性別欄に関しては、まだ全部網羅して調べているわけではないのでこれから働きかけるつもりです。


情報の一元化というのは、当事者の方が何かを配慮して欲しい場合、事務窓口や先生、施設など色々なところに自分で足を運んで、自分のプライベートなことを言うのは心をすり減らすような大変なことなので、そこをカバーする取り組みです。

学内の支援や対応の現状に関する情報を一元化して発信するとともに、ここに来て頂ければ、色々な所に繋げていくことができます。たらい回しにされてね。「この件はここに行ってください」って、そのたびに自分のことを言わなきゃいけないって、相当きついですよね。


まだまだ私たちが気付かないところで必要なことはいっぱいあると思うので、何か気になること、困りごとがある人はぜひお話を聞かせてください。そこから、個別に対応していきたいと思います。


・これからの開室頻度や、イベントの情報を教えてください!


今、私が来てるのは週に2日なんですね。なので1日は個別相談で、もう1日はできるだけラウンジをオープンしてお話し会やワークショップをやりたいと思っています。


イベント情報はまだ公開できませんが、色々と考えていますのでお楽しみに!(笑)また、皆さんに企画を考えていただくのもいいと思います。やっぱり学生さんの目線でいろいろとアイディアを出していただくのがいいですね。




レインボーサポートセンターのHPはこちら

今回インタビューした松永美佐寿さんの紹介ページはこちら

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