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【特集】LUSH

執筆者の写真: HANAEHANAE

差別的なキャンペーンや文章を発端に、不買運動やネット上での論争が起こることはもはや珍しくない。

2020年にはDHCのオンラインショップに掲載された在日コリアンに対するヘイトスピーチに対して、Twitter上で「#差別企業DHCの商品は買いません」というハッシュタグを用いた不買表明運動が起こった。


最近では売る側が売るものを選ぶ、即ち買う人を選ぶ姿勢も見られる。

“「本棚に並べない本」のことを考えてみると、いくつかはっきりとわかるものがありました。(中略)いわゆる「ヘイト本」や「歴史修正主義的な本」です。これらに該当する本は、本屋lighthouseでは一切扱いません。”

上記は本屋lighthouseが掲げる選書基準を引用したものである。


ものを販売し、利潤を得るためだけでなく、意思を持った材料調達と商品の製作を行っている化粧品会社がある。それが「LUSH」である。

LUSHは果物や野菜、エッセンシャルオイルが主な原材料となっている化粧品や入浴料、洗浄料を販売しており、視覚と嗅覚に訴求する製品で知られている。


ギフト需要が高いため、これらの製品の他に、Knot Wrap(ノットラップ)と呼ばれるラッピングを販売している。

これは、日本人にとってなじみの深い「風呂敷」から着想を得て誕生した商品で、店舗では単体で購入できるほか、ギフト用の購入物をラッピングする際に選択できる。


素材へのこだわり

Knot Wrapの素材は主にポリエステル製とコットン製の2種類がある。ポリエステル製のものは、ペットボトルをリサイクルした繊維を用いており、そのサイズによって500mlペットボトル1~6本をリサイクルして使用している。

コットン製のものは、インドの女性と農民の生活に投資する社会的企業「re-wrap」から調達したフェアトレードコットンを使用している。




デザインでのこだわり

一部のKnot Wrapのデザインは、三重県に拠点をもつダウン症の人々のためのプライベートアトリエ「アトリエ・エレマン・プレザン」によるものである。

また、風呂敷のデザインを手掛ける企業には、学習障がいや自閉症の人々のためにアートワークショップや展示会、作品を販売する機会を運営する社会的企業であるArtbox Londonも挙げられる。


このほか、日本の里山再生を通して生物多様性を守るプロジェクトの一環として、里山で収穫された米を使った商品「ドントルックアットミー」「ハーバリズム」があるほか、2021年現在では全ての商品がベジタリアン対応、9割の商品がヴィーガン対応であり、ヴィーガン対応の製品割合は年々増加している。

LUSHは誰でも使うことができ、環境負荷が少なく、社会にとって良い影響を与える商品づくりと販売を行っている企業と言えるだろう。


意思を持って原材料を調達する、あるいは商品を仕入れる企業は存在する。倫理と信念に基づいた買い物をすることで、世界により良い変化をもたらすことができるかもしれない。


 
 
 

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