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  • 執筆者の写真貧困問題PJ

貧困問題プロジェクト活動報告




はじめに

 私たち貧困問題プロジェクトは、「日本の貧困 "見えない”ところにスポットライトを当てよう」というテーマのもと、「ひとり親家庭の貧困」や「子供の食生活」の問題解決に貢献することを目指して活動を行っています。これらの問題は、私たち自身も経験し、目の当たりにしてきた問題です。特に私たちも該当するミレニアル世代・Z世代は、今後育児をしていく可能性のある世代であるため興味関心が強いとともに、考えていくべき問題であると考えました。私たちは、2021年夏に活動を開始し、イベント開催やSNS発信を通した啓発活動、地域のボランティアへの参加など様々なプロジェクトを行っています。



企画概要と目的

 本プロジェクトの目的は次の2つです。


1.自治体や他の団体の活動にご協力させていただき、問題解決に向けて活動されている方々の想いや活動内容、私たちが経験したことを発信することで、より多くの学生に問題について知り、考えてもらう。


2.イベントなどを主体的に開き、当事者や問題意識を持った人同士が気軽に話す機会を作ることで、当事者の孤立感を解消し、偏見を減らす。



活動報告

 以下では、これまで私たちが参加したボランティア活動や開催したイベントについて、参加メンバーのコメントを交えて報告致します。



中野つながるフードパントリー@鷺宮(7月)


 「中野つながるフードパントリープロジェクト」は、中野区社会福祉協議会が主催の、中野で生活に困っている方に、食糧を無料で配布する地域の拠点「フードパントリー」を作るための寄付企画です。

 今回の「@鷺宮」は貧困問題チームとして初めての対面でのボランティア活動でした。地域の方が集うアパート集会室で、フードパントリーの準備から受け渡しまでを行いました。1日目は準備を、2日目は会場を設営し、実際に受け渡しをしました。準備の際には、地域のボランティアの方々と協力しながらひとつひとつ食べ物をバッグに詰め込みました。受け渡し当日は、私たちは主に道案内の役割を担い、受け取りに来る方が迷わず会場に行かれるよう、声掛けなどのサポートを行いました。






《参加メンバーのコメント》


今回参加させていただいた経験を通し、ボランティア活動は、多くの人が関わり協力し合うことで成り立つのだなということを強く感じました。

また、これほど様々な方が、食べ物や生活必需品を受け取る必要があるという現状を目の当たりにしたことで、これまで自分の周囲や、自らがどのような環境におかれているかを深く考えずに過ごしてきてしまったのだということに気がつきました。多くの学びと気づきを得ることができた2日間でした。(かな)



この際に初めてフードパントリーのボランティアに参加させて頂きました。印象的だった点は、物資や労働力などの物理的な支援と同様に目に見えない精神的な気遣いが重要だという点です。

こちらのフードパントリーでは受け渡しの際の人数を最小限にすることで、利用するに当たっての精神的なハードルを軽減しようと取り組まれていました。このような細かな気付きは現場に行かないとなかなか得られないものだと思いますので、これからも実際に足を運ぶことを大切にします。(まりな)



中野つながるフードパントリー講座(7月)


 NPO法人せたがや子育てネットより、代表理事の松田妙子さまが登壇され、「地域の仲間と考えよう!子供の貧困について」というテーマでお話を伺いました。


《参加メンバーのコメント》


 生活実態調査の結果に基づきながら、実際に事業に携わる方からフードパントリーの意義を聞く貴重な機会となりました。食事をとって欲しいということ以上に、「地域の拠り所となりたい」「何か困ったことがあればいつでも訪ねられる場所でありたい」ということを強調されていたことが印象的です。(あいね)



上高田みんなの食堂(9月)


 「上高田みんなの食堂」は、中野区上高田で毎月第4木曜日に開催している子ども食堂です。18歳未満のお子様は無料、大人は一人300円で食事を提供しています。コロナ禍以前は、子どもたちの孤食を減らしたいという想いのもと、みんなが集まって一緒に食べる場所と時間を提供していました。コロナ禍の現在は、お弁当配布の形で活動をしています。VUJMメンバーは、お弁当の調理・後片付けに携わりました。


《参加メンバーのコメント》


終始和気藹々としていて楽しかったです!

地域の方々、企業からの援助で食材を集め、栄養士さんが考えた献立で栄養バランスも整ったお弁当を調理しました。今回の主菜はハンバーグでした!ハンバーグは初めてだったらしく、「時間内に終わらないかも!」とバタバタしましたが、協力してなんとか調理を終えました。

最後はお話ししながら片付けをし、差し入れてくださったチョコを食べたり、温かい空間で楽しく過ごすことができました。(あいね)



ひとり親家庭イベント(10月)


 10月には、VUJM主催の「ひとり親家庭イベント」を行いました。「家庭の事情について、本音で話せる相手が見つからない...」そう困っている人に、ひとり親家庭出身の子供は確かにここにいて、それぞれがたくさん悩んでいることを知ってもらいたい。苦しいばかりじゃなかったことを知ってもらいたい。そして、ひとり親家庭で育った子供の緩やかな連帯を作りたい。そういった思いで、このイベントは開催されました。

 当日は、ひとり親家庭で育ったVoice Up Japan明治支部のメンバーがパネラーとなり、それぞれのエピソードや悩みについて話し合ったり、互いに質問しあったりして話を深めました。ひとり親家庭出身でない傍聴者も多く、ここでしか聞けない質問にも答えてもらいました。


《参加メンバーのコメント》


このイベントは、今の自分の性格や人間性、考え方が形成された原因を客観的に見つめ直すきっかけになりました。また、参加してくださった方々には私という人間をより深く知ってもらうことができたと思います。(くまかず)



中野つながるフードパントリー@鍋横(11月)


 11月には、鍋横で開催されたフードパントリーに参加しました。3日間にわたる内容で、1日目は地域の皆様からご提供頂いた食品の受付をして、賞味期限を確認したり、食品ごとに仕分けたりする作業を行いました。2日目は、1日目同様食品を受け付けながら、バッキングの作業も行いました。最終日には、会場設営準備と食品配布を行いました。





《参加メンバーのコメント》


私は前日準備を担当し、当日渡す食材などを家庭ごとに分ける作業をしました。

これだけの食材が寄付等で集まっていることにとても驚き、自分も、寄付であったり何か自分きっかけでできることはないかと考えさせられるきっかけになりました!(ももな)



2日間参加したことでほかのボランティアや運営の方とも話しやすくなり、福祉のお仕事などについて聞くこともできました。皆さんとても気さくで良い方ばかりでした。(はな)



中野つながるフードパントリー@南中野(11月)


 同月には、南中野で開催されたフードパントリーに参加しました。VUJMメンバーは前日準備に携わり、食品類などの仕分けとパッキングをしました。




《参加メンバーのコメント》


前日準備に参加しました!今回は福島からお米を寄付していただいたみたいで、3キロのお米が各自に入っていて、これは嬉しいだろうと思いました。

中学生から高齢の方まで、幅広い年齢層の方々がボランティアとして参加していました。皆様元気いっぱいで、圧倒されました。作業は手際良く進み、早め解散でした。(なみ)



上高田みんなの食堂(2月)

 先日2月24日には、昨年9月に続き「上高田みんなの食堂」に参加しました。調理からお渡しまで、3人のVUJMメンバーが参加しました。



《参加メンバーのコメント》


今回は、生姜焼きをメインにしたお弁当を作りました!十数人で時間内に130名分のお弁当を作れるのかと思いましたが、分担をして調理をしました。

今回はいつも以上に作業が進み、余裕を持って仕上げることができました。後半はお渡し作業のお手伝いもしました。受け取りに来られた親御様やお子様から、「ありがとう」「助かります」というお言葉を直接聞くことができました。頑張ってよかったと思いました。(まさき)



これまでの活動を振り返って

 

 1年間ボランティアに参加して思ったのは、自分が思っていたよりも生活に困っている人がたくさんいるということ、そしてそれを助けようとしてる人もたくさんいることです。

コロナによって全ての人の生活が不安にさらされましたが、だからといってそれ以前から貧困に苦しんでいる人たちを放置して良いわけではありません。実際にボランティア参加することで日本の貧困現状を学べるだけでなく、ボランティアの人手が足りていない問題も解決出来ることを知りました。

そして、フードパントリーでもひとり親家庭の存在をよく見ますが、ひとり親家庭のイベントを通じて、ひとり親家庭とひとまとめにするのはよくない、それぞれ違う家庭だということも学びました。これを考えると一見問題ないような家庭に見えても、実はとても生活が厳しいという現状もあるのだろうと感じました。

 1年間という短い時間では貧困の解決になるようなことはできませんが、まずは現状を学び現場を見ること、当事者から話を聞くことでメンバーの日本の貧困への意識が変わっていったと思います。

 そして、フードパントリーの参加は運営の方からもとても感謝されているので、これからも参加は続けていきたいです!


(貧困問題プロジェクトリーダー 加藤 奈実)

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