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  • 執筆者の写真ハナ

目の前のことにコツコツ向き合い、「未来」に出会う【連載インタビュー 政治家さんと個人的な話】



全5回の連載インタビュー「政治家さんと個人的な話」では、政治とわたしたちの距離を縮めることを模索していきます。最寄りの駅で演説をしていたり、地元のお祭りで握手をしたことがあるのに、それでもなんだか遠い存在の政治家さん。そんな政治家さんたちは普段どんなふうに仕事をしていて、何を考えて生活しているんだろう? 

大学生であるインタビュアーが等身大の疑問を投げかけながら、政治や政治家さんと距離を縮めていこうという試みです。



第2弾は、教員を退職後、千葉県柏市議会議員を10年勤め、2021年には柏市長選に挑戦された山下洋輔さんにお話を伺いました。今回は前編・後編の2回にわけてお送りします。

この第2弾前編では、主に山下さんの学生時代についてお伺いしました。学生時代の経験は今の活動に繋がっているのでしょうか?




山下洋輔さんプロフィール(HPから引用)
東葛飾高校卒業。
早稲田大学教育学部卒。
同大学院修士課程修了後、土浦日大高校にて教諭。
早稲田大学大学院教育学研究科博士課程を単位取得後退学。
2011年9月〜2021年10月 柏市議会議員
2021年10月、柏市長選挙に無所属で立候補。落選(43,834票)
諦めず挑戦を続けます。

家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)
現在、機械学習に基づく水道管等のインフラ劣化予測のソフトウェア開発している Fracta の政策企画部長という役割で、官民連携の橋渡しをし、民間企業の持つテクノロジーやノウハウを最大限に活用し、社会を支えるインフラを守り、自治体の課題を解決し、社会益を創り出していきます。

ーハナ(インタビュアー)

ー山下洋輔さん



山下さんの高校時代

ー(ハナ)実は私と山下さんは母校が一緒なんですよね。せっかくなので、東葛(千葉県立東葛飾高校の略称、以下東葛)の話をしたいです!何か違うところがあるのか?とか、逆に一緒のところとか!

チャイムはエリーゼ(「エリーゼのために」ヴェートーベン作曲)でしたか?


(山下さん)はい、「エリーゼのために」でした。チャイムと比べると長いですよね。



ー測ったことないですけど、体感では30秒くらいあった気がします。長いから教室移動の時、ギリギリで行動して移動先の教室に滑り込んでましたね(笑)


「エリーゼのために」も「チャイム」も、音楽なんですよね。

日本の学校では、あの「キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン」っていう時間を告げるメロディが採用されているだけで、だから、「エリーゼ」でもいいんですよね。それを高校のとき、はっと気付かされましたね。常識に縛られてはいけないな、と。

まぁ、時間を告げる放送すら、東葛には必要ないとは思います。



ーそうかもしれないですね。

山下さんは、東葛ではどう過ごされましたか?


いわゆる東葛らしいというような、生徒会や行事はあまり参加せず、剣道一筋というか、部活動を頑張っていて、あまり部活以外の思い出はないです。合唱祭も、大会が近くてあまり参加できませんでしたし。




ー東葛高校の繋がりって今もあったりするんですか?


ありますね。部活のつながりだけでなく、選挙でも同級生が応援してくれました。私の最初の選挙のときに、ポスターをつくってくれた人も同級生です。市長選挙に落ちてからは、同級生である加藤崇君の会社であるFractaに入れてもらいました。



FRACTA
ヒト型ロボットベンチャーSCHAFTの共同創業者で、その会社をGoogleに売却したことで注目される。その後、AIを用いて水道管の劣化予測を行うFractaをシリコンバレーで起業。





制服のない東葛生だったからこそ考える制服議論

ーほかにも東葛の特徴というべきは、制服がないことですよね。


制服がないのはいいですよね。うちの社長も普段着で仕事してますし(笑)


経験してないとわからない部分もありますよね。制服の議論って未だにあるんですよ。制服がないと生活が乱れるといった議論もあります。高校生のうちに、時には失敗もしながら、TPOを自分で考えられるよう学べたら、それでいいですよね。

おかしいことだらけの議論で、うんざりします。「性の多様性に配慮した制服」を作ったことが先進的な取り組みと注目されたりしますが、「制服なし」でいいじゃないですか。女の人でズボンとスエットを着ているのは自然だけど、みんなと違う「性の多様性に配慮した制服」を着るのは勇気が要りますよね。

寒さや暑さにも、それぞれが対応できますし。今の制服で、男の人がスカートを履くのは難しいですよね。でも、私の東葛の先輩で、イギリスの民族衣装っぽいスカートを履いた男性の先輩がいたのを鮮明に覚えています。私服だと、やりたいようにできますよね。


ー本当ですね。制服があると乗り越えられない問題も私服の導入でなんとかならないか検討することも必要だと感じました。そして、そんな方がいたんですね!素敵ですね~


民衆の歴史を学んだ大学時代

 

ー大学ではどんなことを学んでいたんですか?


大学は、早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修で学びました。

地理と歴史を学ぶのが特徴で、巡検(フィールドワーク)が重視されていました。本を読んだりするだけじゃなくて、現場を歩いて、そこの人の声を聞いたり、地形とかその街の雰囲気を感じる機会に恵まれました。観光地ではない地方都市をたくさん歩きました。

卒業してからも同じゼミの友達と行ってたりしてたので、街づくりとかいろんな点で考えることが、議員の仕事にもつながっています。

歴史の研究では、先生方から民衆思想史の精神を伝えられました。権力者や国家体制の歴史よりも、その土地や、時代にくらす市民に目を向けた研究です。それは、その後の政治などの活動のもとになっていると感じます。



ーインスタを拝見させていただいて、今やってるお仕事なのかわからないのですが、観光×歴史みたいなことをやっていましたよね? わたし、ブラタモリ(NHKの番組)が好きで(笑)、気になりました。


そうそうそう、まさにブラタモリですね(笑)




註 東葛印旛送大師にも参加。



ーですよね。ブラタモリっぽくて、良さそうだな~って思ってました。


最近になって、歴史を活かした仕事の依頼が増えてきました。「歴史をちゃんと踏まえた街づくり、ツーリズムをやりたいから」と、その監修を頼まれます。武道の稽古をしているので、武道ツーリズムの企画にもお声かけ頂きます。歴史研究だけでなく、まちづくり、教育委員会など行政との調整も必要なので、これまでの経験が生きています。一つの公民連携ですね。「ハイエンドツーリズム」の流れがきています。



註 佐原にて。山車の点検、維持管理の風景を見ることができました。着物を虫干ししたりされているようです。



ーじゃあ、それは大学でやってたことと繋がっているってかんじなんですかね?


そうですね。

あとは、市議会議員をやっていたときは、歴史に精通しているということで、市内の歴史のことで困ったことなどの相談を受けることとか多かったですね。



ーなるほど。それはどういうルートで相談がくるんですか?


いきなり直接とか、人づてとか。

よくあるのが、何かが壊されそうなときですね。反対運動だったり、あるいは相続で家を売ってしまわないといけないけど、家にいろんな資料があるとか。あと、「よくわからないけど、これはなんでしょうか?」とか。

それが案外貴重なもので、委員会とかにつないで、ちゃんと市として、公共的に保護してもらうことに繋がることもあります。



註 史料の調査依頼と保存についての相談を受け、柏市教育委員会と大学の研究者とともに調査



豊四季開墾など、市内の歴史に詳しいのも、これまでの活動と繋がっていますね。

江戸時代、柏は幕府直轄の放牧地で、馬を育てる「牧」でした。だから、柏市には、馬が逃げないように囲っていた野馬土手の遺構が残っており、後世に伝えていこうという活動をしています。柏駅、柏の葉、豊四季団地、レイソルの日立台、麗沢大や気象大学校など、柏市の近代は、「牧」の歴史抜きには語れません。



註 「豊四季開墾の歴史を後世に伝えたい」という地域の勉強会の方々の思いを受け、公園内に説明板を設置。



註 野馬土手の跡。住宅地の中に、緑が残されています。


ー私としては、(柏市のお隣の市の)流山よりは柏のほうが地域の行事やお祭りなどがなくて、あんまり柏は歴史がないのかなって思ってたんですけど、そういうところもあるんだなっていうのを、山下さんのインスタだったりを見て思いましたね。


ああ、それはよく言われますね(笑)




註 地域の歴史を知ってもらうために、手賀沼、利根川、江戸川といった水運や街道を自転車で走って、YouTubeでライブ配信したりしました。



ー柏も、もうちょっと見てみようって思いました。

でもどうしても地元トーク、柏の歴史の話になっちゃうんですけど、もうちょっと山下さんの話を聞きたいですね(笑)




次回、後半では、なぜ教師になったのか?そして、なぜ教師を辞め、政治家の道を選んだのか?などを聞きました。政治家は子育てがしやすい!? 「政治家は『情報通』!」という言葉も飛び出しました!お楽しみに~




山下洋輔さん




取材・編集:ハナ

写真提供:全て山下さん



*Voice Up Japan並びに、Voice Up Japan明治大学支部は特定の政党や政治家を支持しません。



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