
連載エッセイ「ねえねえ聞いて」では、Voice Up Japan 明治支部のライティングメンバーたちが、日常の中で様々なことに揺れ動く自分の感情を、等身大の文章で綴ります。毎月、「ねえねえ聞いて~!」と、話しかけますのでぜひ楽しみながら読んでくださると嬉しいです!
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「一日一善ゲーム」って知ってますか?
って聞いたけど、たぶん誰も知らないと思います。なぜなら、私だけやってるゲームなので!揚げ足とってごめんなさい・・・!
一日一善ゲームとは、自分の良心を発揮しやすくするために考え出したゲームです。
このゲームは一生開催されるのですが、一善ポイントを貯められる、よくある例があります。
自分が電車内で座席に座っているとします。50代にも70代にも見えるおばあさまが来ました。あなたはそのおばあさまが50代にも70代にも見えるから、「もし50歳だったらどうしよう? 『そんなに年寄りに見えるかしら!?』って思われちゃうかもしれないし… あるいはもしかしたら、次の駅で降りるかもしれないし…」と、席を譲るか迷います。
この時! この時が一日一善ポイントを貯めるチャンスです!!
「この人に席を譲るべきかどうか…?」とか「次の駅で降りるかもしれないし…」という葛藤は、私もこのゲームを導入する前までは、毎回していましたし、み〜〜〜んなすると思います。けど今となっては、それはとても不毛な葛藤だったと、私は思います。
あなたの良心が、席を譲ることを勧めているのなら、まずそのおばあさまやおじいちゃんや、妊婦さんや小さな子どもや怪我してる人たちなどなどの、本人に聞いてみるべきです。
声に出して聞いてみて、もし座ってくれたら一善ゲット!
そしてここで肝心なのが、断られて、座ってくれなくても一善ゲットなのです!!
「あ〜大丈夫よ〜ありがとうございます。」とおばあさまに言われます。
ありがちな思考なら、「せっかく声かけたのにな…」と少し落ち込むところですが、落ち込む必要なんてないですよね。ちゃんと少しの勇気を出して、聞けたのですから!
もしかしたら、そこらへんのスーツのおっちゃんが、「お!若い子が声かけてる。俺も今度声かけてみようかな」とか思ってくれてるかもしれないし。優しさの連鎖が広がるかもしれないし。
だから、一善ゲットでいいのです!
わたしは、今日も一日一善をしました。
バイトのために朝早く家を出て、電車でうとうと寝ていました(私からはうとうとの感覚だけど、たぶん周りから見たらガクガク(笑)) 駅のたびにハッ!と起きるのですが、ある駅でハッ!と起きたら、目の前に、幼稚園生くらいに見える女の子とそのお母さんが立っていました。これは一日一善のチャンスだなと思って、
「あのー座りますか??」と言いました。すると、「大丈夫ですよ。ありがとうございます。」とすごい綺麗な笑顔で言われました。そして、私はまたすぐ眠りの世界へ…。
結局、私のほうが早い駅で降りて、私の席に女の子は座りました。眠気でガクガクしすぎて、逆に気を遣われてしまったのかな・・・? でも、席を立ったときに、お母さんにまた綺麗な笑顔で「さっきはありがとうございました」って言われたから、なんか良いことした気になって、ハッピー。
今回は電車の中だったけど、例えば公園にゴミが落ちてたから拾うとか、物を落とした人がいたから拾って追いかけて渡すとか、落とし物があったから事務所などに届けるとか、一日一善ポイントを獲得する機会は自分次第でそこら中に転がっています。
ちなみに、一日一善って仏教用語ですが、私は仏教徒ではないです。だから、死後の輪廻転生先が高次の生き物になって、そのうち輪廻転生の輪から脱出するために一日一善を積んでいるわけではありません。(ちなみに輪廻転生があったら猫が涅槃の一段階前なのではないかと思っています)
わたしは宗教が好きなので、宗教を誠実に信仰することに憧れがあるのですが、でも実際にはまだ出会えずにいます。だから自分で生きる上でのルールを、自分で作らなくちゃいけないし、大切にすることを決めなきゃいけない。
そして、良心は働くけど余計なことをいっぱい考えてしまって、体が動かない。そんなの勿体ないから、何かすぐその良心を発揮できる方法ないかなと考えた先にあったのが、一日一善ゲームでした。
ベテラン一日一善プレーヤーな私レベルになると、ポイントを貯めるチャンスには0.1秒くらいで体が動くようになりました。それもなかなか気持ちが良いのですよ~
皆様も、生活の中に一日一善ゲームを取り入れてみてはいかが?
少しだけ生きやすくなって、毎日ちょっとだけハッピーになれるかもしれません・・・!
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